歯の黄ばみや着色汚れの原因は大きく分けて2通りあります。
1つは体の外から来るもの、もう1つが体の中から来るものです。
まずは、それぞれについて解説していきます。
体の外からくる着色の原因とは?
体の外から来るステインには、『食品』『薬品』『嗜好品』の3通りがあります。
食品由来の着色
歯の着色汚れで最も多いのが、食品由来のステインです。
お茶やコーヒー、ワインなどの飲み物のほかにチョコレートやカレーなどの食品も多くのステインを含んでいます。
子供の着色で多いものが「麦茶」によるものです。
薬品由来の着色
薬品由来の着色で有名なものが、『テトラサイクリン歯』と呼ばれるものです。
Dr.CHETAN Web Siteより引用【http://www.drchetan.com】
テトラサイクリンとは抗生物質の1種で、大人の歯を作っている最中に使用する事で紫がかった灰色の歯が作られます。
年齢でいくと8歳未満の時期に使うと発生する事が多い様です。テトラサイクリン以外の抗生物質であれば、起きません。
テトラサイクリン歯になってしまった場合は、歯科医院での本格的なホワイトニング治療や「ラミネートベニア」という歯の表面を削ってセラミックを装着する方法しかありません。
その他にも、『クロルヘキシジン』という消毒薬でも着色が起きます。
クロルヘキシジンとは、うがい薬など配合されている高い殺菌効果のある成分です。
クロルヘキシジンが配合されたもので有名なものに『コンクール』があります。
テトラサイクリン歯と違い、コンクールによる着色は表面に付着しているだけなのでケアを行う事で除去する事ができます。
嗜好品由来の着色
嗜好品由来の着色とは『タバコ』の事です。
タバコに含まれるタールなどの脂溶性のヤニが原因で起きます。
タバコによる着色で悩ましいのが、禁煙をした後も肺の中に残ったヤニが持続的に排出され着色し続ける事です。
一般的に喫煙していた期間と同じ期間で続けると言われています。
そのため、定期的な歯科医院でのホワイトニングやポリッシングなどのケアのほかに、自宅でも歯磨き後などを使ったケアを行わなければなりません。
体の中からくる着色の原因とは?
体の中から来る着色にも幾つかのパターンがあります。
タバコを吸っていた頃のヤニ
先ほども述べた通り、10年間喫煙していた人が禁煙しても同じ期間以上「ヤニ」が肺から排出され続けます。
遺伝的な要素によるもの
遺伝的に歯が上手く作られない事により、通常とは異なった色の歯が出来上がる事があります。
『エナメル質形成不全』と呼ばれるこの病気は、歯を作る過程で上手く石灰化が出来なかった事により発生します。
原因として、遺伝的な要素が多く語られますが、幼少期にフッ素を大量に摂取する事でも起きるとも考えられています。
『フッ素症』と呼ばれるこの病気はフッ素の悪い面が出た例と言えます。
フッ素は低濃度で使う事により、歯の構造を強くし虫歯になりにくい歯にしますが、必要以上に摂取してはいけません。
フッ素のによる毒性は歯以外に『IQ』にも影響を与えているのではないかと考えられています。
「エナメル質形成不全症」も「フッ素症」もどちらも治すためには歯科医院での治療が必要です。
虫歯による着色
虫歯になると歯が黒変します。
これは、歯科医院できちんと治療しましょう。
歯周病による着色っぽいもの
歯周病によって歯茎が下がると歯根が露出します。
歯根はもともと濃い色をしているので、歯が汚れていると感じる方がいますが、これは歯の本来の色です。
治すためには、歯科医院で被せ物などを使って治すしかありません。
詰め物で覆う方法もありますが、食品由来のステインが付着しやすく、プラークもつきやすいのでオススメしません。
着色があると見た目以上に何が悪いの?
どの着色汚れも歯の表面に付着していますので、もともとはツルツルだった歯を『ザラザラ』に変えてしまいます。
このザラザラの状態は、細菌の塊である「プラーク」がよりつきやすい状況を作り出します。
その結果、虫歯や歯周病が起きやすくなるのです。
専門的にはこう言ったプラークが停滞しやすい因子を『プラーク リテンション ファクター』と呼び、これを改善する事が歯周病治療の第一歩となっています。
まとめ
どの着色や歯の黄ばみも歯科医院での専門的なケアが効果的ですが、近頃は市販品でも優秀なものが出てきているので利用してみるのも良いでしょう。
また歯科医院で簡単なケアを行うことで、下の写真くらいには綺麗になります。(下の写真は同時に歯周病の治療も行っているので、部分的にコーヌステレスコープという入れ歯が入っています。)
ここから更にキレイにする方法ももちろんありますので、かかりつけの歯科医院に相談しましょう!