最近見つけた『乳酸菌入り歯磨き粉 ブリアン』
にゅうさんきんいり?
なんで乳酸菌が入ってるんだ??
『乳酸菌』て”乳酸”を作る菌だから、逆にエナメル質を溶かして虫歯を増やすんじゃないの???
という疑問がふつふつ湧いてきたのでこれはもう徹底的に調べるしかない!!!
乳酸菌入り歯磨き粉『ブリアン』のスペック
というわけでまずはブリアンの簡単なスペックから。
- 『BLIS M18』という乳酸菌が配合されている
- 殺菌剤・界面活性剤・保存料・合成着色料を使用していない
- デキストリン・エリスリトール・フルクトオリゴ酸・香料が配合されている
- 1日1包使い切りパックが30日分
- 国内で生産していて、食品中放射線物質の新基準を満たしている
- 開発担当者は歯科医師の『齋藤鉄也』
- イチゴ味
ざっとこんな感じでした。
ここで気になったのがやはり乳酸菌の『BLIS M18』
そこで今度はこの『BLIS M18』について調べてみた。
乳酸菌「BLIS M18」とは??
BLIS M18は別名『Streptococcus salivarius M18』
本来、この『サリバリウス』という菌は口の中に多く生息している菌で、生後数時間後にはすでに口や咽頭などに存在することが分かっています。
それほどありふれたバクテリアで、BLIS M18はその『サリバリウス菌』の1種です。
幾つかの研究では、このサリバリウスが化膿レンサ球菌に対する「抗生物質」を産生し、連鎖球菌性咽頭炎を防ぐ作用があることが分かっています。
そして、この抗生物質が虫歯を作る細菌に対しても効果があることが分かっています。
なんでBLIS M18が特別なのか?
『BLIS M18』は次の4つの効果的な抗生物質を産生することが分かっています。
- salivaricin A
- salivaricin 9
- salivaricin MPS
- salivaricin M
この抗生物質はまとめてBacteriocin Like Inhibitory Substances(バクテリオシン様阻害物質)と呼ばれています。
この頭文字をとった、『BLIS』という名前が菌に付いているわけです。
この抗生物質の作用としては、咽頭炎の原因となるバクテリアを阻害する作用があります。
特に『salivaricin M』は虫歯や歯肉炎、歯周病に対して抵抗性を示すことが分かっています。
その他にも次の菌に対して阻害作用があります。
菌種 | 関連する病気 |
Streptococcus mutans | 虫歯 |
Actinmyces viscosus | 歯周病 |
Streptococcus pneumoniae | 肺炎 |
Moraxella catarrhalis | 耳炎、副鼻腔炎 |
Haemophilus influenzae | 耳炎、肺炎 |
Streptococcus agalactiae | 新生児敗血症、髄膜炎 |
Streptococcus pyogenes | 急性咽頭炎 |
じゃあ、ブリアンはどうやって虫歯予防しているのか?
ブリアンにはBLIS M18がそのまま配合されています。
虫歯予防効果
先ほども述べた通り、試験管を使った実験ではBLIS M18に虫歯を作る最大の原因菌『ミュータンス菌』を殺菌する効果があることが証明されています。
さらにアンモニアを発生させる酵素を作り出すことも分かっており、このアルカリ性の作用が歯のエナメル質を溶かす酸を中和する効果があるのも確認されています。
そして、ニュージーランドのオタゴ大学が5歳〜10歳の子供を対象に行った2重盲検研究では「BLIS M18」を使い始めてから3ヶ月後にはプラークスコアが有意に減少したという結果もでています。
歯肉炎・歯周病予防効果
歯周病の原因菌である「A.a」「P.g.」「F.n.」と言った菌種がM18の持つ酵素によって炎症促進サイトカインが有意に阻害されたという報告がされています。
つまり、歯周病原因菌の出す炎症物質を邪魔する作用があるということです。
『ブリアン』に関する情報まとめ
以上の化学的事実をまとめると以下の様になります。
- 『乳酸菌入り歯磨き粉』ではなく『BLIS M18』というレンサ球菌入り歯磨き粉だった
- BLIS M18は虫歯の原因菌を殺菌する効果がある
- 虫歯菌が作った酸を中和する作用もある
- プラークも出来にくくなる
- 歯周病の原因菌が出す起炎物質を阻害する
つまり『子供用歯磨き粉』として発売されていますが、大人の歯周病・歯肉炎予防としても使用することもできることが分かりました!
疑ってすいませんでした。