『更年期』は40代〜50代の閉経後の女性に起きる症状で、一般的には数年間続きます。
2/3の女性は更年期の期中にいわゆる『更年期障害』の症状を経験します。(1)
この症状には、急激な暑さや寝汗、気分の浮き沈み、イライラや疲労感など様々です。(1)
加えて、更年期の女性は「骨粗鬆症」や「肥満」、「心臓病」や「糖尿病」といった様々な病気に対するリスクが高まります。(2)
今では自然由来の「サプリメント」や「治療」によって更年期障害の多くの症状が寛解することも各種の研究から明らかとなってきています。(3)
そこで今回は現在多くの研究から明らかとなっている更年期の辛い症状を和らげる『11通りの方法』を解説していきます!
1.カルシウムとビタミンDが豊富な食品を意識的に選ぶ
更年期のホルモンの変化は骨を弱め、骨粗鬆症になるリスクを高めます。
「カルシウム」と「ビタミンD」は骨の代謝に欠かせない栄養素なので、この2つの成分が入った食品やサプリメントを意識的に摂取することでリスクを低減させることができます。
ある研究からビタミンDを適切に摂取している女性には腰骨の骨折が少ないことが明らかとなっています。(4)
ビタミンDを補給するには日光を浴びる必要がありますが、あまり外出ができない様であれば魚や卵、タラの肝臓油などの食品やサプリメントから摂取できます。
カルシウムが豊富なヨーグルトやチーズ、牛乳なども効果的です。
乳製品以外にはケールやホウレンソウのような『葉物野菜』や豆腐や大豆製品なども豊富なカルシウムを含んでいます。
最近ではシリアルや牛乳、フルーツジュースなどにカルシウムを人工的に加えたものもありこういったものも積極的に利用しましょう。
2.適性体重を維持する様に心がける
更年期はどうしても代謝が落ち、油断するとすぐに太ってしまいます。
これは、ホルモンの変化と年齢、ライフスタイル、遺伝が複雑に絡み合って生じています。
体重が増え、お腹周りの体脂肪が増加すると心臓疾患や糖尿病の発生リスクが上昇します。
さらに、体重によって更年期の症状がさらに辛くなる事があるのです。
17,473人もの更年期の女性を対象に行われた研究では、被験者に体重の10%(最低でも4.5Kg)の減量を行ってもらったところ「寝汗」や「顔面潮紅」といった症状がほぼ無くなりましたと報告しています。(5)
3.野菜とフルーツを多めに摂るようにする
野菜や果物中心の食生活は更年期障害を乗り越えるためにも非常に重要です。
基本的に野菜や果物はカロリーが低く、水分が多いため満腹感を得られやすく、体重の管理をしやすくしてくれます。
一般的に更年期の後の心臓疾患のリスクが上昇しやすく、年齢と体重、エストロゲン(女性ホルモン)レベルが関係していると言われています。
しかし、植物性の食品中心の生活を送ることで「心臓病」を含めた多くの病気が予防されることが研究から明らかとなりました。(6)
さらに、菜食生活により骨密度の低下を防ぐこともできるかもしれません。
50歳〜59歳の女性、3236人を対象に行われた観察研究では野菜や果物を多く取り入れた食生活を送っている人ほど骨折の割合が低かったのです。(7)
4.更年期障害の引き金となる食品を避ける
食品の中には更年期の症状を起こす引き金となったり、助長したりするものがあります。
- カフェイン
- アルコール
- 糖分たっぷりの食品
- 香辛料の効いた食品
特にこういった食品を夜に食べると、「寝汗」や「うつ状態」になりやすくなります。
もしもこうした症状が現れたら日記に症状と直前に食べた食品をメモしておくと、意識的に遠ざけることができます。
5.定期的な運動をする
運動が更年期障害に有効かどうかの決定的なデータはまだ出ていませんが、運動によって症状が軽くなったり治ったりしたという報告はあります。(8,9)
運動を行うことで「エネルギー代謝」や「骨と関節」、「ストレス軽減」と関連するのでよく眠れる様になります。(10,11)
また、定期的な運動は健康へと繋がり、ガンや心筋梗塞、高血圧、肥満、2型糖尿病、骨粗鬆症といった病気から身を守る効果がある事も多くの研究から分かっています。(12,13,14)
例えば更年期の女性が毎週3時間の運動を1年間続けたことで肉体的にも精神的にも健康になり、人生が充実したという研究結果がありました。(15)
6.植物エストロゲンが多く入った食品を食べる
植物エストロゲン(フィトエストロゲン)は自然由来の化合物で、女性ホルモンである「エストロゲン」に非常に似た構造をしています。
そのため、ホルモンバランスを維持する効能があるのです。
日本では豆腐など植物エストロゲンが多く入った食品を食べる機会が多いですが、食生活の形態によって偏っていることがあります。
植物エストロゲンを多く含んだ食品には次の様なものがあります。
ここで1つ気をつけておかなければならないのが、植物エストロゲンを含んだ食品は加工により失われることがあるので、できる限り加工工程が少ないものを選ぶ様にすることです。
更年期に突入したての女性を対象に行った研究では、大豆を多く取り入れた生活を送ることでコレステロール値や血圧が低下し、更年期障害の症状が劇的に減ったという結果が出ています。(16)
今のところ、大豆製品が更年期の良いのか悪いのかは決着がついていませんが、もしも植物エストロゲンを摂取したい場合はサプリメントや加工食品よりも生の食品からの方が吸収が良いです。(17,18)
[blogcard url="http://skincarecomparison.biz/post-343.html"]
7.水分をこまめに補給する
更年期に突入すると喉が乾きやすくなります。これもエストロゲンレベルが低下することにより起こります。
1日に8〜12杯のお水を飲むことで「めまい」や「むくみ」などの更年期の症状を和らげることができるでしょう。
さらにこまめな水分補給で満腹感が得られ、わずかに新陳代謝も活発になるためダイエット効果も期待することができます。(19,20)
ある研究からは、食事30分前に500mlの水を飲むことで食事の際の摂取カロリーが13%抑えられるということが分かりました。(20)
[blogcard url="https://tarope.xsrv.jp/2016/01/29/post-2926/"]
8.加工食品や精製された砂糖を減らす
パスタやパンのような精製された小麦粉や白糖を使った加工食品は血糖値を急上昇させ「シュガークラッシュ」と呼ばれる一時的な高揚感の後の急激な疲れやイライラを引き起こします。
ある研究でも更年期の女性がこういった食生活を続けることで「うつ」のリスクが上昇することを発見しています。(21)
さらに加工食品中心の生活は骨密度にも影響を及ぼしかねません。
50歳〜59歳の女性3000人以上を対象に行われた観察研究では、スナックや加工食品によって骨密度に影響が出ることが確認されています。(7)
外食中心の食生活も同様のことが考えられます。
9.食事のタイミングを規則正しくする
食事を不規則なタイミングや不適切な時間帯に行うことでも更年期の症状は悪化すると考えられています。
更年期の女性を対象に行われたウェイト管理の年間プログラムでは1食抜かしたり、不規則な食生活になることで4.3%が減量を達成することができませんでした。(22)
また地中海ダイエットのように家族や大勢で食事をするスタイルをとると、孤食の場合よりも満足感を得られやすくなります。
[blogcard url="http://skincarecomparison.biz/mediterranean-diet-recipe.html"]
10.タンパク質を積極的に摂る
タンパク質を日常的に多く取り入れることで筋肉量を維持し、加齢による筋力の低下を防ぐことができます。
実際に過去の研究からも毎食タンパク質を摂取することで、加齢に伴う筋肉の喪失を遅らせることができることが分かっています。(23)
さらに筋肉量が維持されることで基礎代謝量も維持されるため、体重の管理もしやすくなります。(24)
よく聞く「ダイエット後のリバウンド」はきちんとタンパク質を取らずに減量した結果、筋肉量が落ち、以前と同じ食事をしても太りやすい体質になったことで起きているのです。
11.自然由来のサプリメントを利用する
更年期の症状を和らげるためにサプリメントに頼るのは決して悪いことではありません。
更年期を抑えるサプリメントに関する研究はまだ発展途上ですが、ここでは現在研究が進んで解明されつつある成分のみを解説します。
フィトエストロゲン
フィトエストロゲンは「植物エストロゲン」とも呼ばれ、女性ホルモンに非常に似た構造をしています。
アカツメクサなどから抽出したエキスなどに多く含まれています。
また醤油メーカーのキッコーマンから販売されている大豆からイソフラボンを抽出したサプリメントもおすすめです。
植物エストロゲンに関してはかなり研究はされていますが、その効果の確実性が立証されるのはもう少し先の様です。(25,26)
黒ルイヨウショウマ
「黒ルイヨウショウマ」には更年期による「顔面紅潮」に効果があるのではないかと考えられています。
元々、ルイヨウショウマの実は刺激性の強い植物なので、今はその安全性が確認されている最中です。(18,27)
そのほかのサプリメント
そのほかにもプロバイオティクスやカヴァ、DHEA-S、ドンクアイ、マツヨイグサ油などの自然由来の成分が効果があるとされていますが、科学的な実証はまだ行われていません。
更年期障害を軽減する方法 まとめ
更年期は病気ではなく、自然の流れの一部です。
更年期による症状を抑えきれない場合は食事に気を配ったり、軽い運動をすることも大切です。
今回ご紹介した方法を試しながら、うまく更年期と付き合い乗り切りましょう!
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