歯科衛生師さんに見て欲しい『SRPはどこまでが限界??』

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SRPは歯周基本治療としてとても大切な治療でとても難しい治療です。

縁上歯石はスケーラーや超音波スケーラーでほぼ取れますが、縁下歯石はどうしても見えない場所を手探りでの治療になります。

そこで、今回はそんな『縁下歯石』に焦点を絞ってお話をしていきます!

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縁下歯石はとったほうが良いの??

歯周治療を勉強していくと、実は歯周病の原因が歯石ではなくプラークにあるという事実に行き当たると思います。

そうすると、歯科医師の先生の中には『プラークが原因なら、歯石を取る必要がない』と考える人がいます。(実際にいました。

確かにプラークは、歯周病の原因の大部分を占めるのでこれを除去するのに異論はありませんし、これによって炎症も消退します。

でもちょっと待ってください!

もし、仮に炎症が引いたとして、新たに歯周組織が再生する場面に出くわした時に果たして、歯石がついた根面に歯根膜が再生するでしょうか??

答えは『NO』です。

しかも、『軽石のような構造の歯石の中のプラークはどうやって取るの?』という疑問が残ります。

つまり、壊死セメント質も除去するという意味も込めて、縁上・縁下どちらもきっちり除去することが歯周治療の第一歩となります。(1)

歯石は取り残していると考えたほうが良い

目に見えない場所を綺麗にするのがSRPですが、これに関してはWaerhaugらの行った興味深い実験があります。

その実験では、縁下歯石が付着している抜歯予定の歯に対し、熟練した歯周病専門医がSRPを行い、抜歯後、歯石の取り残し具合を調べるという実験です。

その結果、3㎜の歯周ポケットでは完璧に歯石が除去できた割合が80%以上であったのに対し、4㎜では約60%に取り残しが見られ、5㎜以上の歯周ポケットではたったの11%しか完璧に歯石を除去できなかったと報告しています。(2)

詳しい記事はこっち→歯周病を治療するためにどうして外科手術がどうして必要なのか?

何ミリの深さならSRPした方がよいのか?

基本的にSRPを行う深さに決まりはありません。縁下歯石がついていたら取るのがSRPです。

しかし、まずは教科書通り、『4㎜以上』の歯周ポケットがある場合はSRPを行うと考えて良いです。

歯石はどこまで付着しているのか?

歯石の付着している位置の目安としては、ポケットの深さの1㎜手前まで歯石がついていると考えた方が良いです。

これは、歯周組織の炎症が、感染物から1㎜の位置まで波及するという医学的根拠があるため、歯周ポケットの最下部も歯石から1㎜下の場所にあるであろうという予測から導かれます。

手用スケーラーと超音波スケーラーどちらが効果的なのか?

Tunkelらの行った研究では、縁下歯石を除去するのに『超音波スケーラー』を使った場合と『手用スケーラー』を使った場合では差がなかったと報告しています。(3)

また1986年にMooreらが行った実験では、歯根表面に付着したLPS(細菌を構成している細胞壁で強い炎症作用を示す)は、水洗する事により30%以上除去できたと報告しています。(4)

そのため簡便性も考慮し、細いチップを装着した超音波スケーラーで縁下歯石を除去する事が望ましいと言えるでしょう。

実際の臨床結果から

これらの文献的要素を確かめる目的だったわけではありませんが、筆者の行った症例をお見せします。

こちらは、重度慢性歯周炎患者さんに『超音波スケーラー』を用いてSRPを行ったものです。

その後、やむなく抜歯に至ることとなったので、歯石の状況を記録しました。

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これを見ると5㎜あたりを境に綺麗に歯石が残っているのが、確認できます。

この事から5㎜を超える歯周ポケットに遭遇した際は、歯周外科や抗菌療法を含めた治療計画を立てていく事が必要です。

詳しいデータはこっち→歯周病治療「SRP」はどれくらい効果的な治療法か?

また、衛生士さんも自分が行ったSRPの症例で、歯周外科を行う事がある場合はオペのアシストにつくと、自分の技術でどこまで縁下歯石が取れたのかが確認できます。

抜歯を行った場合も同様です。

この記事の参考文献はコチラから検索できます!

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