”妊娠前” に歯周病治療をしておく必要があることが判明!

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歯周病と早産・低体重児出産の関係

今、分かっている限り歯周病はいくつかの全身疾患と関連があります。

  1. 動脈硬化
  2. 細菌性心内膜炎
  3. 糖尿病
  4. 誤嚥性肺炎
  5. 関節リウマチ
  6. 早産・低体重児出産

例えば③の糖尿病は歯周病の患者さんでは、そうでない人に比べて『3倍』糖尿病にかかりやすいことが分かっています。

また動脈硬化で亡くなった患者さんの心臓や動脈を調べると血管内に『歯周病原性細菌』が発見されています。これは細菌が血管の中で不溶性(水に溶けない)の巣を作ることで血管が狭められ血液が十分に行き届かないことによって起きています。

また今回の主役である『早産・低体重児出産』は歯周病に罹患することによって体の中でサイトカインと呼ばれる炎症を引き起こす物質が放出され、それが悪影響を及ぼすのでは無いかと考えられています。

このように、歯周病が病気を悪化させ、体が弱ると歯周病も活発になるという悪循環が起きているのです。

さらに『歯周病と全身の病気』に関しては『歯周病Tips!』内の以下のサイトをご参考にどうぞ。

歯周病と関連する7つの病気・5つの要素

イギリスの医学誌から衝撃的な研究結果が報告された!

これまでこれらの病気は歯周病を治すことで改善するとされていましたが、今回ギリシャのチームによる大規模研究『Obstetric outcomes after treatment of periodontal disease during pregnancy(妊娠中の歯周病治療後の産科結果)』では『妊娠中の歯周病治療は、早産予防に効果が無い』ということが分かりました。

以下、そのアブストラクトです。いちお訳も載っけておいたので、ご興味がある方はどーぞ。

abstract

Polyzos NP et al. Obstetric outcomes after treatment of periodontal disease during pregnancy: systematic review and meta-analysis.

BMJ( British Medical Journal ) 2010; 341:c7017.

目的:

妊娠中のスケーリング・ルートプレーニングを含む歯周病治療が早産の発生率を減少させるかどうかを検証する。

研究デザイン:

ランダム化コントロール試験のメタ分析とシステマティックレビュー

データ元:

『 Cochrane Central Trials Registry』『ISI Web of Science』『Medline』と2010年7月までの参照文献

選択方法:

歯周炎と評価された妊娠中の女性の中で無作為に振り分けた後に、スケーリング・ルートプレーニングを受けた群と受けなかった群をランダマイズドコントロール試験したもの。

抽出データ:

データは二人の独立した評価者によってそれぞれ抽出され、第3者によって確認された。

研究の方法論のクオリティーは『Cochrane’s risk of bias tool』によって評価され、「高品質」・「低品質」両方の評価を受けている。

プライマリーデータは早産(妊娠37週以前での出産)とし、セカンダリーデータは低体重児出産(体重2500g以下)、堕胎、死産および意図的な避妊全体(37週以前)とした。

結果:

本研究には11の研究、6558人の女性が含まれている。

11のうち、5つの研究は『Cochrane’s risk of bias tool』で高品質の研究方法である(バイアスが少ない)と評価されており、残りの6つは低品質(バイアスが多い)との評価を受けた。

高評価の研究と低評価の研究とでは明らかに結果が違い、低品質の研究は治療効果について触れられていて、高品質の研究では効果があるなしに関わらず明確なエビデンスが示されていた。

高品質の研究によると、歯周治療は早産の確率に有為に影響を与えることはなかった。(オッズ比 1.15 95%信頼区間0.95~1.40 p値=0.15)

さらに歯周治療は低体重児出産の確率を減少もさせなかった。(オッズ比 1.07 95%信頼区間0.85~1.36 p値=0.55)

これは堕胎、死産(オッズ比 0.79 95%信頼区間0.51~1.22 p値=0.28)、37週以前の避妊(オッズ比 1.09 95%信頼区間0.91~1.30 p値=0.34)も同様だった。

結論:

スケーリング・ルートプレーニングを含む一般的な歯周病治療は早産の発生率を減少させる効果的な方法ではない。妊婦の多くは妊娠期間中の口腔内環境の評価のために定期的な歯科医院の通院をアドバイスされることが多いはずです。しかし、歯科医師は妊娠期間中の歯周病治療では低体重児出産や早産は避けられないかもしれ無いことをきちんと伝えるべきでしょう!

まとめ

ということで、すでに歯周病にかかってしまっている妊婦さんが妊娠中に歯医者さんで歯周病治療をしても早産のリスクは抑えられないよということが分かりました!

私からのアドバイスは『妊娠する前に常日頃から歯周病の治療をしておきましょう!』ということですね!

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