ED(勃起不全)と「歯周病」の意外な関係【米国泌尿器科学会】

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私の所属していた医局では毎週数回、持ち回りで英語で書かれた論文や文献を日本語に訳してスライドにまとめ、発表するという行事がありました。

毎回毎回、歯周病とインプラントに関するテーマばかりだったので正直面白くはありませんでした。

しかし、ある日上司が発表したスライドの中でED(勃起不全)と歯周病の関係性』意外と面白い内容があったので自分なりに調べてみました!

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EDとは?

EDとは『勃起不全』の事で現在世界中で ”1億5千万人” が苦しんでいる病気です。

日本の人口よりも多い男性が苦しんでいるわけです。

EDは海綿体への血流がなんらかの理由でうまく通らない事が原因で起きる「血行不全」が起きていると考えられています。

そして歯周病は「心不全」や「糖尿病」との関連が示唆されていて、心臓病とEDの原因は似たような原因なのではないのかと考えられています。

この事からエDや歯周病の研究はアメリカで盛んに研究が行われています。

台湾でのED(勃起不全)研究

2012年に「米国泌尿器科学会年次集会」で発表された報告によると、台湾の「台北医科大学」の研究チームがの「東亜病院」で【EDの男性患者3万3000人】と【EDのない男性患者16万2000人】を対象に行った5年に及ぶ追跡研究で次のことが判明しました。

  • ED患者群は慢性歯周病患者の割合が27%であった。
  • EDでない群は慢性歯周病患者が9%であった。

このことからEDと歯周病には相関性があることが示唆されました。

しかし、EDだから歯周病になるのか、歯周病だからEDになるのかは詳しく分かっていません。

トルコでのED研究

トルコの研究では勃起不全の患者(男性80名)の ”53%” が「重度慢性歯周炎」であったと報告しています。

同研究によるとEDではない患者(男性82名)は、重度慢性歯周炎患者が “23%” であったとも報告しています。

どちらの群も30〜40歳の「非喫煙者」でした。

研究者はこの研究結果から、「歯周病が勃起不全と関連性があると考える事は十分に価値のある事」だと述べています。

EDのリスク因子と成り得る因子

他の研究では「血管内皮細胞」の機能低下がEDのリスク因子であることが分かっています。

歯周病は「慢性炎症」あるいは「痛くない火傷」ですから、歯周病が血管内皮細胞を損傷する可能性は十分にあり得ます。

これを裏付けるかは分かりませんが、ED患者では健常者にくらべて「TNF-α」の血漿中の濃度が上昇していることが確認されており、歯周病患者でも「TNF-α」は上昇します。

「TNF-α」とは「腫瘍壊死因子」とも呼ばれますが、体内で炎症が起きた際に分泌される成分です。

血管内皮機能障害とは?

『血管内皮機能障害』というのは、血圧が上昇したり、血中の悪玉コレステロールが増加することで血管を形作っている細胞が障害を受けて、一酸化窒素などの血管を作動させる物質の分泌が低下します。

この結果、血管の機能に障害が出ている状態のことを言います。

これらの研究から予想される事

EDと歯周病の関連性については研究が始まったばかりで、まだどれくらい関連性があるかは分かっていませんが、統計だけ見ると明らかに関連しています。

これからはEDの原因が判明するにつれて、歯周病の病原性もさらに詳しくわかる事が期待されます。

その他に「ED」と「心疾患」の関連性についても、徐々に明らかになっていけば新しい医療体系が確立されるかもしれませんね!

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