医局でうつ病が起きやすい理由と克服した友人たち

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私がいた某歯科大学の医局はほぼ1年に1人のペースでうつ病患者を輩出する超名門校でした。

そんな環境にいた経験から自分なりに医局での鬱の向き合い方を考えてみました。

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医局でうつ病になった同期たち

私は当初、6人の同級生とともに医局に入ったのですが、結果として2人うつ病になりました。

二人に特徴していたのが『まじめ』かつ『柔軟性が無い』

例えば、目的を達成するときに人それぞれ目的までの経路があると思いますが、この二人は一度決めた経路を変更することを嫌うのか下手だったんだと思います。

そしてうつ病にかかる人はいつも、同じ人物が影響していました。

たったひとりの人物が私の知る限り、4人をうつ病にしていきました。

私はこの人物にかなり世話になったので、この人物がとても悪い人物だとは思いませんが、確かに若手の頃は恐怖の対象ではありました。

この人物を私なりに分析してみると、愛情はたっぷり持っていましたがその表現が少し下手で、実力があるだけに医局内での影響力も強い人物でした。

時には教授に対してもきちんと意見を通すため、教授は時として『鬼軍曹』というあだ名をつけていましたが、後輩が理不尽な立場に追いやられた時もきちんと前面に出て後輩をきっちり守るタイプの人物でもありました。

実際、私は医局内に入ってからこの人物が辞めるまで世話になりっぱなしでこの人物が辞める時はどうしていけば良いのか、自分が引張ていくことができるのか途方にくれた瞬間もありました。

それだけこの人物の医局内での発言力は強く、本人もそれを自負しているようでした。

実際にあったうつ病の症状

話は戻りますが、うつ病になった2人の同級生はこの人物と会話した直後にうつ病を発症していました。

1人は廊下で座り込んだまま立ち上がることができなくなり、先輩の大学院生になんとかソファまで連れて行ってもらいそのまま姿を現しませんでした。

のちの彼は回復したのですが、その時の彼の回復法は後でお話しします。

もうひとりうつ病になった同級生は女性で、家が呉服屋のとても厳格な家で育ち、彼女のお兄さんは半分家を飛び出すように出て行ったという経緯があります。

この二人の家族背景を比較すると、うつ病克服の糸口があるかもしれませんので、これも後ほどお話しします。

彼女はうつ病を発症した時に、私は直接見ていないのですが、外勤先でバーがついていないタービンを口の中に入れて『削れない、削れない』と呟いていたそうです。

さらにアルギン酸を練った後も椅子に座り込んで、印象材が固まりきったことも気付けない状況になり、しまいには空いている窓を指差し、『誰かが私の悪口を言っているから、窓を全部閉めてくれ』と要求したとのことです。

見かねた外勤先の院長が両親に迎えに来てもらうも、自分の荷物がどれなのかも判断できず、結局他人の靴を履いて帰りました。

これを果たして『うつ病』と呼んでいいのかはわかりませんが、かなり精神的に追い詰められた状態だったのだろうとは推測できます。

結果、彼女も医局を去りその後消息を絶ちましたが、数年後に地方の学会でたまたま彼女を見かけた時はまぶたが腫れ上がったようになり、顔つきがまるで別人になっていました。

動けるようになるまで回復したので良かったとは思いましたが、もとに戻ったとは言えない雰囲気でした。

この他にも、ある日突然起きれなくなりそのまま寝たきり生活になってしまった先輩や研究が忙しすぎて体調を崩しそのままうつ病と診断された後輩、逃げるように辞めていった後輩たちも何人かいました。

ひとつ言えることは、彼らは日常生活では全く普通の人物で少なくとも私が接した中では人間関係を構築できる人物でした。

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うつ病になる人の特徴


これは完全に私の主観ですが、うつ病になる人には共通していることがあります。

それはみんな『柔軟じゃない』と言うことです。言い方を変えると『くそまじめ』と言うことです。

例えば、何かしら目標を打ち立てた時にそれぞれそこへたどり着く方法があると思います。

目標はあくまで最初の段階で打ち立てた目的ですから、たどり着く道順を変える時もあれば、たどり着く時期を変更することもあります。

場合によっては目標自体をより現実的だったり、夢のあることにかえて自分を鼓舞したりもします。

しかし、彼らに共通していることはこの目標に対する歩みを柔軟い変更できなかった事だと思いました。

例えば、上位の資格を得るためのポイントを稼ぐために学会発表をするとします。

この場合、目的はあくまで学会で発表する事なので、細部はあまりこだわらなくて良いと私は考えます。

もちろん、時間が十分にありこだわりを反映する期間があるのであれば、きちんとリサーチをしてしっかりしたものを作るべきですが、上を目指せばどこまでもあるので、ある程度で線引きはしなくてはなりません。

特に医局での発表の場合、最終的に教授のゴーサインがでなければ学会で発表する事が出来ませんから、教授や上司の言う方針に従っていれば、それが勉強になりますし短期間で成果を上げる事ができます。

自分でのこだわりは次の機会に少しづつ加えていけば良いのです。

しかし、柔軟でない人たちは当初の目的を忘れてしまい、最初から完璧なものを作ろうと頑張ります。

この姿勢自体は非常に素晴らしものですが、これが俗に言う『燃え尽き症候群』に繋がっていくのだと思います。

まだ初心者のうちは頑張っても一流のものは出来上がりませんから、上司が手を加えてより良いものに変えていく手助けをしてくれます。

そのための医局ですから、これは正当な方針です。

しかし、うつ病になった彼らは頑張りきったところで、修正を命じられるとあたかも自分が否定されたような気持ちになり、それに対して反発します。

これは感情としては理解できますから、おそらくうつ病になる人・ならない人双方に共通して起こる感情だと思います。

ですから、うつ病になる人とならない人の差はここにあるのだと思います。

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うつ病になる人の心の動き

もしも訂正をするように命じられた時、私の場合は『めんどくさいな』と思います。『やるの明日にしようかな』とか『ここも後で言われそうだから言われる前にやっとくか』とかも思います。

しかし、私の同期のうつ病になった女の子は『どうしてこんなに一生懸命やったのに』や『自分のは間違ってると思えない』といった感情が湧くだけでなく、実際に顔や態度に出してしまっていました。

このため、指摘をした上司の方もいい顔はせず、良好に始まった二人の関係も悪化するまで3ヶ月とかかりませんでした。

このケースから私が感じたのは何か自分の力量や能力を評価される場面に直面した時、それはあくまで『自分の能力について』の話であり、自分の『パーソナリティー』を否定しているわけではないということに潜在的に気づくか気づかないかの差だということです。

もう一度言います。

否定されたのは今もっているの『スキル』であって『パーソナリティー』では無い。

確かにスキルは人間を構成している一部分ではあるが、そのスキルが無くても困ら無い場面も沢山あります。

スキルはあれば助かるし、試練を乗り越えると身につく程度に考えたら良いのじゃないでしょうか。

これは私の持論ですが、どんな人間も全ての能力パラメーターを足したら同じ数字になると思います。それは年齢問わずだとも思います。

例えば、オリンピック選手がう蝕の除去ができるかと言ったら出来ません。

歯周外科に関する卓越した技術を持ったうちの教授でもテレビゲームどの医局員より下手でしょう。

オリンピック出場もう蝕の除去も歯周外科もテレビゲームも必要とされている現場に行けば重宝されます。

しかし極端な話、歯科医師がオリンピックに出れなくても誰もそれをを否定しません。

ですから、医局内でダメ出しをされたことはただ単に自分の持っているスキルがまだ未熟なだけで、このダメ出しした人はそれを教えてくれたと考えれば、ポジティブに入られると思います。

それに特定の人物のパーソナリティーを否定したかったらもっと直接的で有効な方法はいくらでもありますから!笑

うつ病を克服した方法


うつ病になった二人の同期のうち、男性の方は見事に回復しました。

彼と話す機会があったので、そこで聞いた方法をお話しします。

まず、うつ病の治療の大事なことは原因から遠ざかると言うことです。

今回の場合は、私の上司がきっかけでうつ病を発症したので、医局さると言う形で原因を取り除きました。

次に、彼は医師の処方通り抗鬱薬を飲みましたがしばらくして少し動けるようになったところで、薬にできるだけ頼ら無い方法を模索し始めました。

彼の得た情報では、うつ病は脳内の『セロトニン』という物質が分泌されないために起き、さらにアドレナリンがセロトニン分泌を促進するということを知りました。

そこで彼はセロトニンを分泌させるためにアドレナリンを出す方法として運動を行ったと言っていました。

そして徐々に薬の量を減らしていったと言っていました。

もちろん一概にすべてのうつ病がこれで治るとは言い難いですが、実際に彼はこの方法で約1年をかけてうつ病を克服しました。

またうつ病初期の抗うつ薬の投与は非常に重要とのことでした。

もうひとりの同級生の女性は最後に会った時の姿を見る限り完全に治ったとは言えません。

【※ 最近、再び歯科医師として働き始めたとの情報がありました。しかし、性格的な問題から院長とぶつかることが多いようです。】

冒頭でもお話しした通り、彼女の実家は呉服屋を営む由緒ある家系で父親も厳格でした。

その結果、自分の家からうつ病の患者が出たことを不名誉なことと考え、その事実をはっきりさせたくないことと、精神病院に自分の娘が通っていることを近隣の住民に知られたく無いがために彼女を精神病院に通わせることを許しませんでした。

これについては教授の方からも医学的な見地から精神科の受診を勧めるという話を再三下にもかかわらず、最後は『迷惑だ!』といって取り合う事もしませんでした。

結果、彼女うつ病克服への道は困難を極めたらしく、数年後に地方の歯周病学会であった時は、まぶたが膨れ上がり綺麗な日本的な一重だった目もなんとも言えない異様な雰囲気になっていました。

彼女の場合、かなり特殊な事情で通院する事が出来ませんでしたが周囲の人間たちの協力が不可欠である事は確かです。

もしも周囲に相談するひとがいなければ、他人でも良いので自分の気持ちを聞いてくれる人にお願いしましょう。

まとめ

題名の『医局でうつ病が出やすい理由』とは少し離れた内容となってしまいましたが、医局とは社会を縮小したような世界です。

小さい組織ながらも複雑な人間関係や社会構造が見え隠れしている世界、それが『医局』です。

医局は小さい専門知識や技術の集団ですので、それに関する深い知識や技術を持っているほど周りから尊敬されます。

しかし、それはあくまで医局の中だけの話であり、一歩外の世界を見渡せばその深い知識をっ持っている事が全く重宝されない世界だってある事に気づいてください。

逆説を唱えると、たとえあなたが医局内で専門的知識が乏しく弱い立場であったとしても、それはあなたを否定する材料にはなりませんし、外の世界にはあなたが今もっている知識、技術そしてあなた特有のパーソナリティーを求めている世界が広がっています。

ですから、医局での出来事は難しいパズルを解いているような気持ちになってそれを解決する事に喜びを感じてください。

それでも居心地が悪いと感じるのであれば、やめる事に負い目を感じる必要はありません!笑

ただ単にオリンピック選手がノーベル文学賞を取るみたいな感じで力が出せるステージが違うだけの話ですから!

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