歯周病専門医取得への道!【1%の歯科医師を目指して】

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日本歯周病学会の3つの資格制度

歯周病学会が定める資格には下から《認定医》《専門医》《指導医》があります。基本的に認定医はおまけの資格で、ちょっと頑張れば取得できますが、専門医となると甘くはありません。

認定医の資格取得方法についてはこちらを参考にしてください。今日は私が取得している【歯周病専門医】についてお話ししていきます。まずはそれぞれの特徴をお話ししましょう。

歯周病認定医

歯周病専門医を取得する前段階の資格。まずは認定医を取得しなければ専門医にはなれない。ある程度の実力が証明されるが、広告活動はできない。

歯周病専門医

歯周治療のスペシャリストとして厚生省により定められた資格。

国が定めた資格であるため審査も厳しく、ハイレベルな技術と知識が必要。広告を行ったり、歯周病学会認定歯科衛生士を育成することが出来る。

歯周病指導医

歯周病専門医を育成することができる。大学の教授などがこれ。

各資格取得までの流れ

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歯周病学会の資格は段階を踏むように構成されていて、いきなり歯周病専門医を目指すことはできません。

認定医

歯周病学会入会後3年 + 症例を1つ提出とペーパー試験を受ける。合格率は90%以上なので、症例さえ作ればなれる。5年毎の更新が必要。

専門医

認定医取得後2年 + 10症例提出とプレゼンテーションを行う。私が受けたときは合格率10%台の超難関でした。認定医と同じく5年毎の更新が必要。更新に必要なポイントは認定医より多いので注意が必要。

指導医

専門医取得後7年 + 学会講演などの業績が必要。大学の教授職などを目指すのであれば必須の資格です。私は大学の職には全く興味がなかったので、これは目指していません。

歯周病専門医取得に必要な書類

基本的に歯周病学会のホームページからフォーマットをダウンロードして書き込みます。

それなりに文章作成能力が必要なので、私が実際に作成・提出した文章を参考にしてみてください。

ちなみにこの文章は予備も含めてトータル15人分以上用意していました。

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提出書類 書式①

年齢・性別

39歳・女性

初診

2009年9月25日

主訴

歯肉がむずがゆい感じがする。

家族歴

父親、母親ともに健全で特筆すべき疾患は無く、どちらも局部床義歯は装着していないとのことであった。また兄弟はいないとのことであった。

全身既往歴

3年前に子宮筋腫を患い外科的な治療を施され、現在は問題なく過ごしている。その際それまで10年続いた喫煙習慣をやめており、禁煙状態は現在も持続している。

また1歳になる長男がおり、出産時に帝王切開にて出産をしている。

その他として10代後半より花粉症を患っているが、花粉の時期になると市販の鼻炎薬を飲む程度であるとのことであった。

口腔既往歴

数年前より全顎的に歯肉のむずがゆい感覚を自覚していたが、子宮筋腫や出産などで多忙のため歯科医院を受診する事が出来なかった。

そのため自宅でのブラッシングは念入りに行ってきた。現在は長男を保育施設に預ける事が出来るようになり時間的余裕ができたため、これを機に全顎的な治療を受けたいと考え来院した。

全身所見

体格は中肉中背で、栄養状態は良好であった。

また過度の飲酒習慣も無く、喫煙も現在していない。小さい子供がいるため日常的に睡眠が十分とれず、さらに規則的なブラッシングが行えないとの事であった。

歯列・咬合所見

32〜41に叢生が認められ、16, 17, 41, 46, 47の舌側傾斜、45の頬側転移、15の低位咬合と頬側転移が認められた。

咬頭嵌合位での早期接触は認められなかったが、左側方運動時に14〜17, 44〜47、右側方運動時に27, 37での咬頭干渉が認められた。

また11, 21, 28が挺出し11, 21は歯槽骨が高度に吸収していたため二次性咬合性外傷が疑われた。

歯周組織所見

4㎜以上の歯周ポケットが全体の72.4%に認められ、7㎜以上の歯周ポケットが25〜27, 33〜35, 37, 41, 46に認められた。

臼歯部舌側および歯間部を中心としてプラークの付着が認められ、初診時のPCRは69.4%であった。多数歯にわたる歯肉縁上・縁下歯石の沈着と辺縁歯肉の発赤・腫脹が認められ13, 14からはプロービング時の排膿を認めた。

また11〜15, 21〜24, 31〜36, 41〜45の歯間乳頭の喪失と上顎左右側の頬小帯の高位付着も認められた。

上顎前歯部口蓋側の発赤とテンションリッジが認められたことから口呼吸が疑われた。デンタルエックス線所見より18, 38, 48の埋伏と46が3根であることが認められ、11〜13, 21〜26, 31〜37, 41〜46の歯根長1/3以上に及ぶ水平性の歯槽骨吸収像と12, 21〜25, 31〜37, 41〜46の歯石様不透過像を認めた。

36にLindhe&Nymanの分類Ⅱ度、46にⅢ度の根分岐部病変を認めた。初診時に行った細菌検査よりA.actinomycetemcomitansを対総菌数比率3.600%、P.gingivalisを2.93%、P.intermediaを0.39%、T.forsythensisを2.67%検出した。

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提出書類 書式②

病因

  • 全身的リスク因子:特記すべき事項なし
  • 局所的リスク因子 :プラークコントロール不良、歯列不正とそれに伴う咬合性外傷、口呼吸

臨床診断

広汎型・侵襲性歯周炎(2006年日本歯周病学会の分類に準ずる)

治療計画、治療目標(初診時)

1.  患者教育とモチベーション

(プラークコントロールの重要性および口呼吸習慣の為害性の認識をさせる)

2. 感染源の除去

(ブラッシング指導、全顎的なスケーリング・ルートプレーニングおよび18, 28, 38, 46, 48抜歯)

3.矯正治療

(32〜41叢生および15〜17, 45〜47歯列不正に対する矯正治療)

4. 暫間固定および咬合調整

(17〜27, 37〜47に対する暫間固定および11, 14〜17, 21, 27, 37, 44〜47の咬合調整、バイトプレート装着)

5.   再評価後、残存する歯周ポケットに対する歯 周外科処置

(全顎的なフラップ手術および自家骨移植術)

6.   再評価後、口腔機能回復治療

(45・47に固定性ブリッジ装着、11〜13, 21〜23に連結前装鋳造冠装着)

7.     メインテナンスへ移行

歯周外科手術の種類とその術式選択の目的

多数歯にわたる水平性骨吸収像と浅い垂直性骨吸収像が認められたことから16, 17, 33〜36, 41に対する自家骨移植術を併用したフラップ手術を行い24〜27に対しては切除療法を行うことにより26, 27の根分岐部の露出が懸念されたためフラップキュレッタージを行い根分岐部の露出を極力抑えるよう努めた。

44〜47は舌側に十分な角化歯肉が無い事から歯肉弁根尖側移動術を併用したフラップキュレッタージを行い、11〜13, 21〜23に対しては審美性を考慮し切除療法は選択せずフラップキュレッタージを行った。

治療時の留意点(治療計画の修正等)

患者は39歳と若くまた本人の希望もあり、極力歯を保存することを念頭に治療計画を立てた。

当初46は抜歯する予定であったがヘミセクションにて遠心根2根を抜去後、近心根を徹底的に掻爬したところ歯周組織の安静化が認められたため固定性ブリッジを装着し保存することとした。

また歯列不正に対する矯正治療は患者の同意が得られなかったため行わなかった。その他、当初抜歯予であった18は歯槽骨内に完全に埋まっており17遠心の歯周ポケットとの交通も認められなかったことから抜歯は行わなかった。

治療経過

2009年9月から2010年1月

患者教育、口腔清掃指導、暫間固定(14〜17, 31〜37, 44〜47に接着性レ ジン、14〜17にA-スプリントを用いた暫間固定)、咬合調整、歯肉縁上スケーリング

2010年1月から2010年10月

口腔清掃指導,抜歯(28, 38, 48)、全顎的スケーリング・ルートプレーニング

2010年12月

34〜37に対する自家骨移植術を併用したフラップキュレッタージ

2011年5月

24〜27に対するフラップキュレッタージ

2011年7月

14〜17に対する自家骨移植術を併用したフラップキュレッタージ、46抜髄

2011年9月

44〜47に対する歯肉弁根尖側移動術を併用したフラップキュレッタージと46遠心根ヘミセクション

2011年11月

31〜33,41〜43に対する自家骨移植術を併用したフラップキュレッタージ

2012年1月

11〜13, 21〜23に対するフラップキュレッタージ

2012年1月から2012年3月

口腔機能回復治療(46, 47に固定性ブリッジ、24, 35, 36にインレー装着)

2012年4月から

SPTへ移行

特記事項と今後の問題点等

11〜13, 21〜23の永久固定に関しては当初、前装鋳造冠にて連結固定する予定であったが、患者が歯の切削を望まなかった事と動揺がMillerの分類1度であったため接着性レジンにて連結固定することとした。

メインテナンス時の問題点とその対応

現在3ヶ月に一度リコールを行っているが、27, 32, 33, 46に4㎜の歯周ポケットおよび32〜35, 43〜46の角化歯肉幅が狭小である事から、同部に対するブラッシング指導を行っていくとともに遊離歯肉移植術による角化歯肉幅の獲得を計画している。

現在はバイトプレートを夜間装着しており、今後も継続した咬合の管理を行っていく予定である。

と、基本的な患者の状態について一言一句文章を読んだだけで全体像が想像できるような文章に仕上げます。

その後症例ごとの歯周病検査と視覚的資料(ようは口腔内写真)をまとめていきます。

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これは歯周病学会のホームページからダウンロードできるJSPチャートというソフトで作成できます。ダウンロードページはこちらをクリックしてください。

Windowsには対応していますが、Macには対応していないので注意が必要です。

私はMacユーザーだったので、『Pararel Desktops』というMac上でWindowsを起動できるソフトウェアを使っていました。

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専門医試験 提出症例視覚資料

症例番号1 : 初診時 39才、 女性

初診時: 2009年9月25日

メインテナンス時:2014年6月1日

歯周外科手術:
① 部位:34〜37  術式:自家骨移植術を併用したフラップ手術
② 部位:24〜27  術式:フラップキュレッタージ
③ 部位:14〜17  術式:自家骨移植術を併用したフラップ手術
④ 部位:44〜47 術式:歯肉弁根尖側移動術を併用したフラップ手術と46遠心根ヘミセクション

⑤ 部位:31〜33、41〜43  術式:自家骨移植術を併用したフラップ手術

⑥ 部位:11〜13、21〜23  術式:フラップキュレッタージ

⑦  部位:45〜47 術式: 遊離歯肉移植術

⑧ 部位:32〜35 術式:遊離歯肉移植術

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歯周病専門医・必要症例【まとめ】

こういった具合で全ての歯周外科に関するデンタルX線写真と口腔内写真を術前、術中、術後とフォーマットに添付します。

これを最低でも10症例、理想的には書類選考の段階で差し替えと言われたり戦略上多い方が有利なので15症例は用意しておいた方が良いと思います。

その他、こまごました書類を提出する必要があります。それらはからこちらダウンロードできます。

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コメント

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