歯周病とインプラント周囲炎の現状

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歯周病とインプラント周囲炎の現状

現在、インプラント周囲炎の治療については多くの議論がされています。

その理由は、天然の歯に発生する歯周病に比べてインプラントの周囲に発生するインプラント周囲炎は治療が複雑で、それ一つ一つに対する治療法が確立されていないからです。

いままでも幾つかの治療法が様々な学会や研究者から提案されていますが、十分な納得のいく結果で誰でもできる治療法が得られているとは言い難いのが現状です。

医学的には治療に関わる全ての段階において医学的な根拠があり、それでいて簡便でコストをかけない方法が推奨されます。

また治療する医師によって結果がまちまちでは意味がなく、出たとこ勝負の方法や上手い人がやるからうまくいくといった方法では普及に時間がかかってしまいます。

現在このインプラント周囲炎に対して私たち歯科医師ができることは2通りしかありません。

1つはインプラント周囲炎をどうやって治療するか?

もう1つはインプラント周囲炎にいかにさせないかということです。

幸い私たちにはこの新しい病気に立ち向かうにあたり、先人たちが歯周病の研究をしっかり行っており、これを応用して現在究明を急いでいる最中ですが、まだまだ時間はかかりそうです。

インプラント周囲炎の対応法は??

現在歯周病学会で主に取り上げられている議題がこの《インプラント周囲炎の治療法》です。

またアメリカの歯周病学会であるAAPでも同じくインプラント周囲炎に対する対応法に関する講演がおおく見られます。

九州歯科医学会がまとめた報告によると、インプラントにまつわる合併症で一番多いものがこのインプラント周囲炎です。

インプラント周囲炎の次に多い合併症が、上部構造といわれるインプラントにかぶせる被せ物が欠けたり、割れたりする(チッピング)のがランクインしています。

しかしこの2つの合併症の大きな違いは、チッピングは単純に被せ物を外して作り直せば済む話ですが、インプラント周囲炎はインプラントが植わっている骨にに問題が起きていますから一筋縄にはいきません。

この異常が起きてしまった骨に対しては現在大きく分けて、外科的に治療する方法と非外科的に治療する方法があります。

アメリカ歯周病学会ではなるべく非外科的な治療法でアプローチすることを推奨していますが、学会で展示される新しいインプラントにはどう考えてもインプラント周囲炎にかかったら治療できないだろと思うような商品が並んでいました。

いまのところ、日本ではごくごくスタンダードなインプラントが使われていてインプタンロ周囲炎にかかりやすい製品が特別あるわけではないと思いますが、手術時の細かい術式や歯ぐきの形状、性質の違いで起こる可能性はあります。

天然歯とインプラントの周りの歯ぐきはどう違うのか?

インプラント周囲炎を起こす原因の1つに、天然の歯とインプラントの周りの歯ぐきの性質が違うことが挙げられます。

天然の歯は簡単に言うと骨に行くまでに2層のバリアーで守られています。それぞれ《結合組織性の付着》《上皮性の付着》と呼ばれていて、結合組織性の付着とは歯の根っこに歯ぐきが縫い付けられているためバリアとしてはかなり強力です。

そして上皮性の付着とは、簡単にいうとビール瓶にサランラップを巻いたような状態です。向いつけられたわけではないですが、ぴったりくっついているため菌は入りにくいですが完璧とは言えません。

そして例えば、プラークが歯の周りについて歯肉炎になると血管が膨らむので、サランラップのようだったバリアーがダンボールのようになります。

こうなるとビール瓶の周りにダンボールをぴったり巻けないように歯ぐきのバリアーもゆるくなるためばい菌が入りやすくなります。

インプラントの周りはこの《上皮性の付着》しかないので、天然の歯と比べて細菌が住みつきやすくなっています!!

天然歯とインプラントの周りの骨はどう違うのか?

インプラントの周りの骨も天然骨と違います。

天然の歯の周りの骨は3通りの経路から血管が来ています。

一方、インプラントは2通りからしか来ていません。

仮に骨に異常があった時にそこを治すためには、細胞が集まって治しますがそのためには栄養や酸素が必要です。単純に考えてインプラントの周りの骨は血流量が2/3しかないので、それだけ傷が治るのに時間がかかります。

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歯周病治療とインプラント治療

様々な学会に出席していると何が何でもインプラントという印象を受けます。とくにアメリカ歯周病学会での症例発表をみていると日本では頑張って保存するような症例でも抜歯してインプラントというのを見ると少し悲しい気持ちになりますが、アメリカの医療は完全に研究結果に基づいた文献的な医療なので、抜歯しない方が非科学的なんだと思います。

ここまで行ってなんですが、歯周病の治療にインプラントはとても有効です。というのは私たち歯周病専門医は歯周病を治してからインプラント治療に入るからです。

歯周病の治療で、残せるは残せない歯を判断して、予知性のないものは抜歯します。この時にインプラントが最適な場所に関してはインプラント治療を行い、それ以外は入れ歯などのリスクの低い治療を行います。

歯周病を治す最良の方法/コーヌス・テレスコープ

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