親知らずって何?

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親知らずの歴史

親知らずとは全部で32本ある歯のうち一番奥に生えてくる歯のことを言います。

親知らずの役割は本来他の歯と同じく、食物を食べるためにありましたが、急速な食生活の変化により顎が成長しなくなってしまい歯がすべて収まらなくなってしまいました。

『猿人』の親知らず

下の写真は270万年前の『猿人』の写真です。歯の数は現代人と全く同じ32本あり親知らずまでしっかり生えていますが、歯の大きさが現代人の1.5倍近くあります。

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頑丈型猿人の下顎

『縄文人』の親知らず

次の写真は今から1万年近く昔の『縄文人』の下顎の写真です。これも歯の数は全く同じですが、歯の大きさが少し小さくなってきています。

この頃縄文人は主に木の実や貝を食べていました。

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縄文人の下顎の写真

この猿人から現代人までの顎の変化は200万年以上もの時間をかけて、たった少し歯の大きさが小さくなっただけです。

それだけ進化の過程に時間がかかるはずでした。

『現代人』の親知らず

下の写真は現代人の下顎の骨です。これは約100年前のものですが、よく見ると親知らずが少し傾いているのが分かります。

顎の大きさも縄文人と比べ華奢になって細くシャープな形へと変化しています。写真の比率が同じで無いので分かりにくいと思いますが、歯の大きさは変化していません。

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現代人の下顎の写真

この写真から分かることは、猿人から縄文人への変化は200万年以上かかって変化してきたのに、縄文人から現代人はわずか1万年で変化していると言うことです。

単純に計算すると200倍のスピードで進化していることになります。

親知らずの生えてくる時期

親知らずの生えてくる時期は『親が知らない』というだけあって、もともとは両親が亡くなった後に生えてきました。

その年齢はおよそ25歳以降。

現代では25歳といえば、まだ親は健在ですが一昔前はそうではありませんでした。

たとえば縄文人のいた『縄文時代』は平均寿命が15歳でした。

これは乳児のうちに死亡する数も多かったため低い数字になっていますがそれでも16歳頃になくなる事が多かったようです。

その理由としては慢性的な栄養不良がありました。

縄文人の主な食料は『木の実と貝』。

どちらも十分な動物性のたんぱく質と脂肪がないため、縄文人は『食料を食べてはいるけど栄養失調』という状態がつづいていました。

その後時代が変わって江戸時代に入っても成人の平均寿命は45歳前後でした。つまり20歳で産んだ子供の親知らずが生えてくる頃、もう死んでいたかもしれなかったのです。

ちなみに親しらずは英語でWisdom teeth(賢い歯)と呼ばれます。その由来は大人になって知恵がつく頃に生えてくるからとの事です。

急激な親知らずの進化の原因

これについては様々な研究がされていますが、やはり大きい原因は人間の食生活の変化だと言えます。

100年前のアメリカの歯科医師プライス博士は、奥さんと一緒に世界中の未開の地を巡り、そこで出会った原始的な生活をしていて、西洋文化が入り込んでい無い原住民たちの口の写真を記録して回りました。

そこで博士が気づいたことは、虫歯がある原住民は全体の0.1%ほどだったことと、歯並びが一様に良くて、みんな同じ顔をしていたと言うことです。

家族、親兄弟だけでなく、他の家族ですら同じ地域に住んでいる住民は同じ顔をしていました。

しかし、その後西洋の文化が徐々に原住民の間に入り込み始めると、それまで虫歯がほとんど無かった彼らに一気に虫歯が発生するようになり、西洋文化が入った次の世代の子供達の顎が小さく鼻も低く明らかに成長の度合いが変わってしまったことに気づきました。

顔も西洋文化が入った後の兄弟はまるで違う家の子供のように、小さく華奢に変化し、歯並びも悪くなってしまったのです。

ここでプライス博士が気づいたことは、彼らの食生活が変化したことが顔の劣成長の原因であるということでした。

その後、プライス博士は同じ現象を世界中で発見し、食生活と身体の退化という一冊の本をまとめました。

この本の中でプライス博士は人間の遺伝子についてこう語っています。

遺伝子は我々が思っている以上に環境の変化で傷つき、変化してしまうものだということがこの旅でわかった。

文化の発展が顎の成長を退化させた

今はどのテレビ番組をつけてもグルメ雑誌を見ても美味しいというのを表現するときにこう言います。

『やわらかくて美味しい!』

現在の日本人の美味しいと感じるポイントは柔らかさにあるため、必然的に顎が成長しない食生活へとなってしまっているのです。

その結果、親しらずが生えるだけの顎の成長が出来ず、生えきれなかった親知らずは中途半端に頭を出したり、横を向いたりといった生え方になってしまったのです。

進化の結果親知らずが『無い』人もいる

ここまで親知らずの進化について話してきましたが、親しらずが生えるスペースが無くなって来ているだけでなく、親知らず自体が作られない人も中にはいます。

私は上の親知らずは両方とも生えていますが、下の親知らずはありません。

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この写真は今から5年ほど前の私の顎の写真です。

矯正治療のために歯を抜いたので全体の本数は通常と違いますが、上の左右の奥歯に親知らずがあるのが分かります。

このように人類の歴史で親しらずは影響を受け続け、現在はさらに親知らずの手前の歯も退化をしてきています。

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コメント

  1. 親知らずを抜いた後に気をつけてほしいこと | 歯周病Tips! より:

    […] 親知らずって何? […]

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