歯周病と糖尿病の意外な関係

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歯周病と糖尿病の意外な関係

実は歯周病と糖尿病はとても密接な関係にあります。歯周病の人はそうでない人に比べて3倍、糖尿病になりやすいのです。

逆に糖尿病のひとはいつまでたっても歯周病が治らない傾向があり歯周病を唯一、根本から治すことができる『歯周外科』も、手術を行うデメリットが高いため避けざるをえないからです。

糖尿患者さんは歯周病患者さん

私は今まで歯周病専門医として数多くの歯周病患者さんの治療にあたらせていただきました。

その中で最も治療が難しいのが『糖尿病患者』と『侵襲性歯周炎患者』でした。

特に糖尿病患者はその生活背景が問題となることが多く、たいていの場合は生活習慣が乱れたままでした。

例えば、食事の時間が不規則、飲むべき治療薬をしっかり飲まない、診療の予約時間には必ず遅れるといった状態です。

私の医院では、歯周病を治すにはまず乱れた生活習慣を治すことからという目標を掲げていますので、時として遅刻してきた患者さんに対しては場合によっては教育的な意味を込めアポイントを取り直していくように指示することもあります。

これは一見冷たい対応のように取られてしまうかもしれませんが、遅れてきた方を診療することによって本来その時間に診療の予約を入れていた他のまじめな患者さんにご迷惑がかかることを懸念しているからです。

そしてこういった患者さんの多くは歯をきちんと磨くという習慣も疎かで、私たち医療従事者になんとかうまく治してもらおうととても受動的なスタンスでいることも問題の一つです。

こうしたことから『歯周病』は肥満や糖尿病と同じく、生活習慣病であると考えられています。

歯周病の原因とは??

教育的指導からの変化

しかし、糖尿病患者さんに真摯に接していくに従い、皆さん私の熱意が伝わったのか次第に行動パターンが改善されてきます。

私の患者さまのひとりに金子さんというかたがいらしたのですが、糖尿を患っている方ならその重症さがわかるかと思いますが、HbA1cが10を超えた状態で来院された方がいらっしゃいます。

HbA1cが10というと糖尿病としては重症、下手をすると歯を抜くだけで死に至る危険性がある数値です。

そのせいで彼はいままでいくつもの病院をたらいまわしにされ、口の中の環境はひどい状況でした。

毎回、奥様と一緒に来院されていたので遅刻といったことはありませんでしたが、いつも口の中はプラークだらけでとても治療を開始できる状態ではありませんでした。

治療に対する態度も受動的で、通ってるんだからなんとかしてくれといった態度でした。

しかし、度重なるコミュニケーションと医学的な教育を行ううちに次第に彼の中で歯周病を本気で治したいという気持ちが芽生え、自ら進んで口の中の清掃法を見つけ、みるみるうちに歯肉の状態が改善していきました。

このように歯周病と糖尿病は密接に関係しますが、その根本は自らの健康を取り戻したい気持ちがどれくらいあるかということにかかってきます!

糖尿病のメカニズム

糖尿病は血液中に溶けている糖分が多い状態を指します。しかし、血液中に糖が多いことの何が悪いのでしょうか?

血管と細胞

血管と細胞はまさに『川』と『その周辺にある家』に例えることができます。糖分とはその川に住んでいる『魚』だと思ってください。糖尿病とはこの魚の数が増えていることを指します。

インスリンの役割

『インスリン』という言葉を耳にしたことがあると思います。インシュリンともいいます。

インスリンの役割は血液中の糖分を細胞に送り届けることです。例えると『釣竿』だと思ってください。

川を流れる魚はそのままでは家に直接送り届けることができません。そこで釣竿を使って魚を釣り、各家々に届けます。

もしも釣竿の数が不足してしまうと、家の中の人たちは飢えてしまい段々と元気をなくしていってしまいます。

糖尿病とはこの釣竿であるインスリンがなんらかの理由で不足して、各細胞に栄養を届けることができないために糖がいつまでも血液中に残り血糖値が上昇してしまうのです。

歯周病とは

歯周病は口の中の細菌が感染して起こる感染症の一種です。しかし風邪などとは違い自覚症状があまりなく、気づかないことが多い病気です。

歯周病の影響

私はよく歯周病を『痛くない火傷』と例えています。

感染症が起こると必ず炎症という反応が起きます。

炎症によって様々な細胞を活性化させるホルモンが作られるのですが、全てがすべて体に良い方向に働くわけではありません。

なぜなら細菌を殺すために働くメカニズムは同時に体の細胞にとっても有害だからです。

そしてどういうわけか歯ぐきの中で起こる炎症反応は最初は違和感として感じるのかもしれませんが、徐々にその違和感にも慣れてしまうようになります。

このため、何年にも渡って『痛くない火傷』のような状態が続きます。

歯周病の原因とは??

血糖値と歯周病

歯周病に罹患した結果、炎症状態が続くと体は『炎症性サイトカイン』という物質を作るようになります。

これは本来怪我をしたときなどに痛みを出して危険をしらせたり、傷ついた部分が早く治るように細胞に栄養を送りやすくするメカニズムなどを活性化させるホルモンです。

炎症性サイトカインの影響

炎症性サイトカインにはたくさんの種類がありますが、その1種類だけでも複数の効果を出したりします。

例えば、細菌を殺す免疫細胞を呼んだり、発熱、壊れかけた細胞を壊すように働くこともあります。

その結果、細菌が感染した部位の近くの骨は壊されていき歯を支える骨が吸収していってしまいます。

また中にはこれらの働きを助長するために血液中の糖分濃度を上げて、活動中の細胞に栄養を届ける作用をするものもあります。

こうして、血糖値が上昇していきます。

歯周病が糖尿病を悪化させる

このため歯周病が悪化すると糖尿病が悪化しますし、逆に糖尿病にかかることにより体の細胞は栄養を細胞内に取り込むことができないため、細菌に対して立ち向かうだけのエネルギーがない状態になってしまいます。

こうして2つの病気はお互いに悪化させ合い続けることになります。

2つの病気のこれから

先ほどご紹介した金子さんの話に戻りますが、歯周病の治療をきちんと行った結果、10以上あったHbA1cが下げることができました。

彼の場合は手術をしての歯周病治療にリスクがあったため、出血をともなわない治療を中心に行いしっかりと噛めることができるようになっています。

またサラシアプラスのようなサプリンメントをうまく取り入れたことも良い結果を生んだ理由のひとつになっています。

2つの病気の関係性は実はまだまだ研究の余地がある分野ですが、大事なことは適切に治療を行ってくれる医療機関を探し出すことはもちろんですが、ご自分のいままでの生活習慣を振り返り、正していくという姿勢が一番の治療だと考えています。

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コメント

  1. 歯が痛いので眠れません。対処法はありますか? | 歯周病Tips! より:

    […] 歯周病と糖尿病の意外な関係へ […]

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